Thursday, November 17, 2005

代表での駒野

 テレビ観戦で昨日の代表戦を見ました。ジーコジャパンの戦いぶりについては、それほどの感想はありませんが、やはり駒野は気になります。ですので、試合の間はほとんど彼のサイドばかりを見ていました。

 テレビなので、アウトサイドの出来不出来を語るには難しいのですが、おおむねよく働いていたのではないでしょうか。3-5-2の右アウトサイドでプレイしていたのですが、これまでのどんな試合よりも高い位置でプレイしていたような気がします。自分の課題は攻撃面だ、という自覚が強かったのでしょう。彼にしては特に強く意識して、ポジションを高めにとっていたように見えました。まあ、相手の攻撃が散発気味で、自分の裏を狙われるシーンがそれほど多くなかったことも影響していたのかもしれませんが。

 広島でのプレイではあまりない、PAに飛び込む駒野が見られたのも、よかったです。ボールが逆サイドにある時に一気にゴール前に入ってくるプレイは時折見せるのですが(昨年の磐田戦ではそれでゴールも決めました)、今日の前半のように右サイドからのクロスに対して飛び込み、ゴールエリアでヘディングしようとするようなプレイは、見たことがありません。ああいうプレイを3-5-2の時にはクラブでもやってくれると、広島の攻撃の幅も広がるのですが。今後はぜひ期待したいものです。実際、駒野が縦だけでなく横にもはいってきたり、ゴール前で仕事をするようになると、彼の「怖さ」はもっともっと大きくなっていくはずですから。

 松井大輔が登場するまで、駒野はいい形で走っていっても、なかなかパスがもらえていませんでした。中村俊輔が駒野を評して「守備的」と語っているように、まだ駒野の本質を代表選手、特にヨーロッパ組には理解してもらえていないようです。ただ、松井が入ると、さすがに同世代だけあって、駒野の能力はよくわかってくれています。彼が入ることで、駒野が前を向いてボールを持つシーンが格段に増えました。
 ボールを持てば、彼の得意とするクロスきが威力を発揮します。後半に2度、彼のクロスからチャンスが生まれました。一度は高原をおとりに使って、逆サイドの中田英まで通したクロス。そして、アーリー気味にあげたふわりとしたクロスも、相手DFを超えて落ち、柳沢を完全にフリーにしました。特に柳沢に通したクロスの精度は完璧で、あれはさすがにシュートを決めて欲しかったですね。
 
 ただ、駒野の本当のプレイを出し切ったのか、というと、そうではないでしょう。駒野にはドリブルもありますし、切れ込んでのクロスもあります。今日はふわりとしたクロスが多かったですが、もっと鋭く、スピードのあるクロスもありますし、バリエーションはまだまだ持っているのです。が、それを出し切れずに終わってしまった感があります。攻撃的にいこうという気持ちはよく見えましたが、多くの場面において、どこか遠慮している駒野を見たような気もしているんです。中盤でフリーでボールを持ったときも、前にスペースがあるのに、いつも中田英や中村に預けようとする。駒野をよくわかっている選手なら、彼が走ればボールは出てきますが、中田英や中村はそうじゃないですから。もちろん、しっかりとつなぐのもいいですが、時には強引にチャレンジするプレイがあってもいい、と感じましたね。それができる選手だし、そういうプレイを持っているということを彼らに理解させることも、これから大切になってくると思います。何よりW杯では、時には個の勝負を仕掛けていかないと、そう簡単には崩れませんから。

 ディフェンス面では、あまり心配していません。コンディションさえよければ、彼のアウトサイドでのディフェンス力は他の追随を許さないものがありますから。ただ、攻守の切り替え、攻撃→守備・守備→攻撃、という部分は、気をつけたいところですが。

 90分出たことによる次節・横浜FM戦への影響も心配ですが、試合は日曜日ですし、コンディションは取り戻せると思います。それよりも今日のプレイを自信につなげて欲しいものですね。何せ、次の相手はドゥトラ。Jリーグナンバー1の左サイドですから。代表での手応えを自信に変換して、ドゥトラを押し込むようなプレイができれば、横浜戦の勝利はグッと近づいてくるはずですから。
 そして、その勝利を糧として、大分戦の屈辱をホームではらさなければいけないはず。いや、大分戦だけではなく、浦和戦から続く「ホームでの借り」を少しでも返すために、次の横浜戦は絶対に負けられないのですから。

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Friday, October 14, 2005

高円宮杯3位、という結果を受けて。

 高円宮杯の結果は、3位に終わった。

 準決勝の東京V戦は、7割方ゲームを支配しながら、東京Vの精度の高いカウンターとセットプレイにしてやられた。東京VはG大阪と広島に対しては 、自分たちの形を崩して中盤の構成を変え、前に出るサッカーよりもボールの奪いどころを下げるサッカーを徹底した、とのこと。
 2冠王にサッカーの形を変えさせるほど、認められているという現実が、広島ユースの力を証明している。それに、戸惑いが見えた前半はともかく、後半は確かに、魂の震えるゲームを見せてくれたことも間違いない。

 そういう意味では、何の結果を残さずに敗退したクラブユース選手権当時よりも、チームは大きく成長したと言っていい。この高円宮杯の結果、広島は2年続けて成し遂げてきた「ユース二冠王」を今年達成することが不可能となった。しかし、この成長ぶりを見れば、Jユースはおおいに期待できるだろう。

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Tuesday, September 27, 2005

サポーターの力


「ビッグスワンでの初勝利、おめでとうございます」

そんな言葉をかけられた小野監督は、満面の笑顔でうなづいた。

「ありがとうございます。ここは本当に難しいスタジアムですから。でも……、うしろから応援してくれていましたから。ありがたいことです、本当に」

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Friday, June 10, 2005

李漢宰

 北朝鮮-日本戦の後半44分、北朝鮮のFWが田中誠と交錯して激高し、田中の足を踏んづけた時、日本側からまず駆けつけたのは中澤佑二。そして、北朝鮮側は、李漢宰だった。李は、怒りと苛立ちで完全に「切れた」状態になっているそのFWを押さえつけ、諭すように話しかけ、そして日本選手のそばから引き離した。
 2点目を入れられ、自分を見失い、自暴自棄なラフプレイを連発していた北朝鮮チーム。しかしその中にあって、李漢宰だけは、冷静さを失っていなかった。もちろん、彼のことだ、闘志全開のプレイは当然のこと。その闘志が空回りしすぎて、彼らしくないトラップミスやパスミスもあった。しかし後半、日本のゴールを脅かすクロスを連発し、セットプレイのキッカーとしても危険な存在となっていたことも事実。空回りしがちな闘志を必死でコントロールし、チームのために必死で戦っていた。
 その李が試合終了間際に見せた冷静な行動があったからこそ、乱闘一歩手前にいった状況を素早く収束できた。そのシーンをテレビで見ていた広島の小野監督は、「ああいうギリギリの場面で、誰よりも闘志を全面に出していたハンジェが、誰よりも冷静に対応していた。そこに彼の成長を見ることはもちろん、ああいう選手が広島にいるということを、誇りに思う」と語っている。
 僕も、その意見にまさに同意見だ。大きな苦い後味を残しかねなかった最終盤の乱闘から、試合そのものを救った李漢宰の行動。自分があの場にいて、果たして、ああいう振る舞いをすることができただろうか。悔しい気持ちを押し殺し、必死でチームメイトをなだめ、諭すことができただろうか。

 僕は、声を大にして、言いたい。

 李漢宰は、広島の誇りである。胸を張って、帰ってこい。

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Sunday, October 24, 2004

新潟の皆さま。

今回の大地震の報、本当に驚きました。
慎んで、お見舞い申し上げます。  

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Thursday, July 15, 2004

キャンプはよかったです。ただ。

 キャンプ中に宿泊したホテルのインターネット環境が悪く、メールしか機能しないために、こちらの書き込みが少なくなってしまい申し訳ありません。
 北海道キャンプは、まずまずの成果をあげました。ベットが想像以上にすんなりとチームになじみ、彼の持ち味である技術を発揮してくれていることもよかったですし、何よりも中山・茂木・田中の3トップの躍動が、見るものをドキドキさせてくれました。ヴェテランの頑張りも見ていて心強いですが、やはりこのチームは若者がいかに伸びてくるかに成否がかかるわけですからね。春のキャンプでは伸び悩みが指摘されていた若者たちが、目の色を変えてぶつかっている。この姿こそ、待望していたものでした。
 しかし、問題は続けること。涼しい北海道だったからできた、とかいう言いわけはプロとして通用しません。キャンプでやれたことに満足してしまうようでは、問題です。週末、そして来週に行われるナビスコカップで、まず試合のメンバーに選ばれること。そして、そこで何が残せるか。それが、大切なんです。キャンプはあくまで過程にすぎない、ということを自覚して、ぜひ北海道で見せた躍動感をサポーターの前で見せつけてほしいものです。それができれば、このチームの未来は、一気に広がってきます。

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Tuesday, June 22, 2004

前田俊介も高萩洋次郎も、ルーニー世代。

 今や世界的なフットボール・ヒーローとなったルーニーは18歳。前田俊介と同じ歳です。また、高萩洋次郎もいずれルーニーの歳に追いつきます。 本当の広島の「ルーニー世代=ルーニーと同じ1985年生まれ」は、吉弘充志であり、田村祐基。1986年生まれで、ナビスコカップでゴールを決めた青山敏弘を含め、今年は、広島のルーニー世代がトップで活躍しています(高萩はまだ出場していませんが、ベンチに入るようになってきました)。
 がんばれ、広島のルーニー世代。
 フットボールには、年齢など関係ない。だから、素晴らしいのだから。

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Thursday, June 17, 2004

よこはま・たそがれ

 朝、山陽道での事故に端を発した渋滞。西条ICから河内ICまで渋滞していた、ということだったので、西条の手前の志和ICで下りたのが、運のつき。志和から西条までは、国道2号線の中でももっとも渋滞しやすい地域の一つ。山陽道の事故情報は当然他のドライバーも知っているわけで、渋滞するのが当たり前。それでも必死でクルマを飛ばしたのですが、広島空港についた時には、乗るはずだった飛行機が空に向かって羽ばたいた直後でした。次のANA便は14時。3時間半も時間がある。JAL便に変更するとお金がかかるし、マイレージもたまらない(僕はANA派なのです)ので、仕方ないから待つことにしました。

 羽田について、横浜行きのバスに乗り、滞りなくホテルでのチェックインも完了。最初につまづいた旅というのは、その後もインケツが続くのですが、順調すぎるほど順調。よし、いいぞ。
 横浜駅からJR横浜線に乗って、小机駅で下車。ここから横浜国際競技場をながめながら歩く道のりは、けっこう気に入っています。巨大スタジアムを見ながら歩く、というのは、1997年ワールドカップ最終予選の対韓国戦を観戦した時に、ソウルで経験しました。これから繰り広げられるであろう激しい戦いと、声援と怒声が入り交じった大音量の歓声で包まれるはずのスタジアムが、今は静かにその時を待っている。なんか、そういう感じが伝わってくるんですよね。

 で、まあ、横浜戦がああいう試合になって。がっくりとなった気持ちを抑えて取材をして、記者室で原稿を書こうと思ったのですが、どうも気持ちが乗ってこない。こういう時は、もうホテルで書こう。そう決意して、小机駅に向かいました。道すがら、相当ぶつぶつ言っていたと思います。よそから見れば、あやしいおやじだったでしょうね。ただでさえ、怪しい顔をしてますから。

 乗った電車は東神奈川行き。ここで京浜東北線に乗り換えればいいのですが、なんと思わぬ出来事が。川崎あたりで危険信号を察知したとかで、電車が止まっていたのです。運行を再開してもスピードは落とさざるを得ないため、いつ電車がくるかわからない、とのこと。急いでいるし、あてにならない電車を待つのもイヤだ。というわけで、近くの京急電車に乗り換えました。

 横浜について、ホテルに戻る。でも、腹が減ったので、近くで軽く食べることにしました。ラーメン屋さんを見つけたので、そこで「みそラーメン」を頼んだのですが、これが……。書きたくない。書くと思い出してしまいそうだから。とにかく、ホテルに帰ってからも、胸がむかむかしていました。

 はあ。
 
 まあ、なんちゅうか、そんなこともあって、たそがれていたわけですよ、横浜での取材旅行では。
 
 

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Wednesday, June 16, 2004

今日、横浜戦。

厳しい日程が続いています。広島のような移動が厳しいクラブにとって、この日程は試練以外の何ものでもありません。試合→練習→移動→試合→移動→練習→試合。ほとんど修正もできない状況です。しかも、試合の中には優勝争いのまっただ中にいるチームが含まれているのですからね。
しかし、嘆いても始まりません。今日は、強い横浜が優勝の希望をつなぐために、本気でぶつかってきます。この戦いができることを光栄に感じ、選手たちには思い切ったプレイをしてほしいものです。

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Monday, May 31, 2004

久保+小野、アイスランドに完勝

 すごいですね。久保の1点目の切り返し。3人に囲まれた中で落ち着いてボールをキープし、グイッと前に出る力を利用しながらボールを切り返して、あっという間に抜け出した瞬間は、ゾクゾクッとしました。さらに、GKが前に出てきた時も、落ち着いてボールを浮かしてサイドネットに納める。
 ああいうところは、自信なんでしょうね。広島時代との違いは、この自信の有無でしょう。やはり、昨年の横浜での優勝は、ここという場面で下ばかりを向いていた久保を大きく変えたようです。技術・戦術やフィジカル能力などは、広島時代とさほど変わっていないのですが、優勝を経験したことで「自分はやれるんだ」という強固なものが、背骨の中に入ってきたようですね。2点目の右足ループは、別に久保ならばああいうプレイはできると思っていたので特に驚かないのですが、1点目の落ち着きは明らかに広島時代にはなかったものです。
 久保の姿を見ていると、いかに「自信」というものが選手にとって大切なものか、がよくわかります。いや、久保だけじゃないですね。オランダで確固たる実績を残し続けている小野伸二。2002年のW杯までは、代表でそれほど輝いた記憶はないのですが、今や堂々たるものです。「どうしてそんなに簡単にパスが通るの?」と見ている側に思わせる、シンプルなパス回しなのですが、それがことごとくアイスランドの急所をついていました。ボールを獲られない、という絶対的な自信を背景にしたゲームメイクは、日本が待ち続けてきた「天才」の本当の覚醒が近づいていることを、実感させられるものでした。それもまた、小野がオランダで積み重ねてきてものが、バックボーンとしてあることは間違いないでしょう。
 この2人と比較してみると、今の中村・柳沢がいかに自信をなくしているのか、わかります。特に中村のプレイは、Jリーグで横浜を優勝に導き、海外移籍に野望をギラギラとさせていた頃とは、雲泥の差。もちろん、ケガの影響はあると思いますが、突破はできないし、パスは通せない、キープすらままならない。本人は「バランスをとっていた」と語っていますが、彼に求められるのはそういうプレイじゃないことは、おそらく自分自身が一番わかっているでしょう。
 柳沢は、ボールをもらうところまでは、本当に秀逸です。すばらしいです。彼の動きの質があったから、後半のチャンスは生まれました。しかし、ストライカーにとってもっとも大切な、ゴール前での落ち着きとどん欲さ、そして発想が彼にはない。高校時代に「怪物」と呼ばれ、1998年には22ゴールをたたき込んだこともある彼ですから、ゴールへの感覚は持っているはずなんです。それが、結果が出ていないことで、どこかに置いてきてしまったのでしょうか。いや、彼の場合は中村よりも根は深いのでしょうね。何より、彼が自分のことを「ストライカー」だと思っていないことが、最大の問題でしょう。彼の発想はチャンスメーカーです。「自分がゴールを決めなくても……」という彼の発言は、柳沢の本質を物語っていますね。だったら、もう彼をFWで使うことはやめて、森島のようなスタイルで使ってみてはどうでしょうか。柳沢の突出した運動質であれば、それも可能だと思ったりしていますし、面白いと思います。

 それにしても、「自信」というのは、人間の持っている才能をパーフェクトに引き出すために、絶対的に必要な「触媒」なのですね。久保の今の姿を見ていると、本当にそう思います。森崎兄弟や駒野ら、 今の広島の若者たちの豊かな才能も、「自信」という触媒が彼らの中に植え付けられれば、もっともっと素晴らしさを引き出すことができるはず。そのためには、やはり広島を「優勝」できるチームにすることが、重要なんでしょうね。

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Saturday, May 15, 2004

駒野のこと。

 紫熊倶楽部最新号の駒野友一巻頭特集に思いきり書いたのですが、駒野選手は左ヒザ前十字じん帯損傷して手術を受けた後、エコノミークラス症候群にかかり、肺の手術を行っていました。「エコノミークラス症候群」とは、高原選手がW杯直前にかかった病気で、実は一歩間違えれば命にかかわる病気なのです……。
 その話を、駒野選手本人から「淡々と」聞いた時、僕は思わず絶句しました。実は、彼のお見舞いに行った時、真っ青な顔をしていて「熱があるんです。すみません」と、僕に話したものです。「風邪でも引いたの?じゃあ、あまり長居してもあれだから、帰るね」と言って、病室を後にしたのですが、まさかその時彼が、「エコノミークラス症候群」を患っていたとは、ついぞ思いませんでした。
 紫熊倶楽部にも書いたのですが、本当によく戻ってきてくれたな、と思います。大げさではなく、本当に。しかも、以前よりも間違いなくグレードアップしているところが、本当にすごい。今の彼ならば、五輪はもちろん、フル代表だってねらっていける。わずか2週間の間に2度の手術に耐え、「一歩間違えば」生命の危機とサッカー選手生命の危機、両方を克服して戻ってきた彼の精神的・人間的な強さを考えれば、なおさらです。
 今回の紫熊倶楽部の駒野友一特集「生還」を、ぜひお読みください。

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Wednesday, May 12, 2004

オールスター

 なかなかカズが名波に追いつけず、浩司の3位の座もギリギリのところでせめぎ合っているわけですが。ぜひ、みなさん、投票してくださいね。今日はこのブログからリンクを張れないパソコン(マックなわけですが)で書き込んでいるので、直リンできないのですが、J's Goalから投票サイトに飛ぶことはできる、と思いますので。

 さて、新潟の野澤選手がGK部門の1位となった、ということで話題になっていますが、なんでもポンキッキーズの「じゃかじゃかジャンケン」で面白いパフォーマンスを演じた効果か、と言われてますね。でも、昨年J2で彼を見ていた者としては、そういう評価に違和感を感じています。
 野澤は素晴らしいキーパーですよ。新潟の昨年の失点は40でリーグ第2位(ちなみに1位は広島の35、3位は闘莉王のいた水戸の41)だったのですが、その最大の立役者は野澤の素晴らしい能力あればこそ、でした。新潟は決して守備がかたいチームではなく、被シュート数561は、J2でも鳥栖・横浜FC に続くワースト3位。それでも失点しなかったのは、野澤の高いセービング能力とその能力を信頼した最終ラインが「シュートコースを限定させる守備」を行っていたからです。反町監督がそういう守備陣形を構築したのも、反射神経やポジションどりの能力に優れた野澤というキーパーを信頼していればこそ。
 確かに、J1には素晴らしいGKは多いですし、今年の広島も彼らにゴールを阻まれてはいます。しかし、野澤もまた、しっかりとJ1レベルにいるGKであることは間違いなく、おそらく新潟サポーターの誰もが、野澤に尊敬を捧げ、彼の存在にプライドを持っていることは間違いないでしょう。広島が下田という守護神に絶対の信頼と尊敬を抱いているのと同じように。
 彼が今季、J1でどういうプレイをしているのか、寡聞にして知りませんが、少なくとも能力のあるキーパーであることは間違いありません。「曽ヶ端や土肥よりも上なの?」とか、そういう問題ではなく、彼がオールスターに選ばれたとしても、特に違和感は僕自身、感じないのですが。

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Tuesday, May 11, 2004

これからの方向性。

ここは紫熊倶楽部のサイトではありますが、情報発信を主としたものではなく、どちらかといえばサンフレッチェ・サポーターのさまざまな交流や議論の場所として、皆さんに自由に使っていただくためのサイト、という感じに自然と育っていったサイトです。このサイトについては、僕はほとんど何もしていません。サポーターの皆さんが育ててくれた場所だ、と思います。というか、情報サイトとしては、本当に何もないですものね、ここは。
試合の日の情報については、結果程度はこれから書いていければ、と思いますが、それも僕よりも先に、サポーターの皆さんがさまざまなコメントをされていますし、それが一つの情報となっています。僕としては、今はHFとTSSのサイトとの情報をどうやって構築していくか、を日々悩みながらやっていかないといけないので、このヘッドラインの更新は、やはり後回しになります。今回のようなスケジュールであれば、更新する時間すらとれないこともあります。 
 とにかく、HF とTSSサイト、パソコンと携帯、この2つのサイトの内容をどうするか。紫熊を始めた時も、HFとの棲み分けには相当悩んで、時間がかかりましたが、今回もそうです。もっともHFは今年いっぱい(正確には来年2月まで)ですので、早くしっかりとした棲み分けを確立させないと、HF読者に申し訳は立ちません。当初は、「小出しにしよう」という考え(このサイトについてもそうですが)もあったのですが、どうも僕の性格上、それが難しい。とすれば、違う視点での原稿を配信するしかないのですが、そうするとなかなか時間がとれない。とはいえ、やはり解決策としては、「違う視点」と「深さ」で棲み分けを図るしかないのですから、そこは工夫して乗り切るしかない、と思います。
 「J's Goal」については、自分が書いたことはHF読者には常に知らしめるべきだろう、という考えもあったので。ただ、こちらについても、今後は考えていきたいと思います。
ただ、いずれにしても、今後は結果と事実関係の部分は、最低でも掲載していくつもりです。 

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更新をさぼってすみません。

 確かにめちゃくちゃなスケジュールだったこともあるのですが、まあ、このブログの運営というか、このサイトの運営そのものを悩んでおりまして。
 僕の場合、サンフレッチェを取材しているわけですから、当然、サンフレッチェを中心にした情報発信を仕事として行うわけです。しかし、その情報を発進する相手としての第一は、やはり有料読者であるべきなのですよ。当然のことですよね。HF、紫熊、そしてtssがやっているオフィシャル携帯サイトなどなど。この有料読者こそ、僕の活動をずっと支え続けてきていただいた方々であるわけです。その方々が何を求めているか。当然、サンフレッチェの鮮度の高い情報なのですよ。
 そして、このブログにその情報をオープンにしてしまえば、紫熊倶楽部やHFを支えてくださっている有料読者の皆さんの利益を損なってしまいますよね。そこが、難しいところです。
 ですので、このブログでは、あまりサンフレッチェのことについて、詳しくは触れておりません。他の話題について、書くことも少なくない。ところが、それについてクレームがつく場合がある。だとすると、ここで書くべきことは、なくなるわけです。
 たとえば、アウェイ遠征でいった先で僕が出会ったこととか、サッカーについてサンフレッチェ以外の話題とか、日本代表のこととか、テレビや映画、ドラマについてとか、ふだんの暮らしの中で感じたこととか、書いてはいけないんでしょうか。紫熊倶楽部のサイトだから「サンフレッチェ以外の話題についてノーサンキュー」とつきつけられないといけないのでしょうか。書いた内容について「私はこう思うけど」ということを言われるのならばわかりますが、「そんなことを書くな」と言われてしまっては……。
 今後は、たとえば先日行われたサテライトリーグの結果とか、そういう事実関係については、できるだけこのブログにアップしていこうかな、と思っています。ただ、サンフレッチェのことだけしか書くな、ということならば、いっそのことこのサイトからの情報発信はゼロにしてしまおう、と思います。「サンフレッチェを中心としたNEWS&COLUMN」ではありますが、「サンフレッチェだけ」とは書いておりません。

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Thursday, April 29, 2004

君は、久保を、見たか。

というタイトルの記事をアスリートマガジン誌上に発表したのは、1996年のこと。久保のプロ入り初ゴールの衝撃をお伝えしたこの記事の中で、僕は長嶋茂雄や鈴木一朗と彼を比較した。その時、「何を大げさな」という批判を受け、その後も「2流のFWに期待してもね」という言葉を投げつけられたこともあった。

それから8年。彼は横浜へと移籍し、広島の宝ではなく、ライバルとなった。しかし、日本代表のユニフォームを着た時の彼は、ライバルではなく愛おしい宝物となる。広島でそして横浜で磨かれ続けたこの素晴らしい能力がつまった原石は、まだまだ鈍いものの、光を少しずつ放ち始めた。

サッカー強豪国のホームで、ドリブルでボールを持ち込み、相手DFの人数がそろっていながら、そこに強烈な弾道のシュートをたたき込んだ日本男児を、寡聞にして、僕は知らない。

君は、久保を、見たか。

この言葉を、すべてのサッカーを愛する人々に、すべてのスポーツを愛する人々に。

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Thursday, April 22, 2004

後半のカズ。

聞いていたより、ネットで読んだより、うん、悪くないな、って感じです。ミスが多かったっていうことも聞いたけど、でもそのほとんどはチャレンジした上でのミスだったし、カズの悪い時に出る「キープのためのキープ」ということはなかったし、早いタイミングで出していましたね。それに、今までの五輪代表の試合よりもバイタルエリアからPAに飛び出すシーンが、格段に多かった。もっともいい時に出る「自らボールを奪ってそこから展開する」シーンは、あまりなかったですから、「よかった」とはとても言えないですが。

どうして、カズが輝いて見えないのか。いろいろ考えたんですが、それはこのチームが全体に「縦にいこう」という意志が明確すぎるほど明確になっているのに対し、カズや松井は「タメ」「クッション」をつくることで、緩急を使って縦のスピードを活かそうとするところだと思うわけです。そこが異質に見えるんですね。

山本ジャパンを見ていると、みんなが裏を狙っているわけです。高松にしても、その実は裏を狙うプレーヤーですよね。ポストプレイから中盤が受けて、そこでパスをつないで全体にポゼッションして……というサッカーは、このチームはしないわけですよ。とにかく、早く裏に。そういうサッカーでカズを活かすのならば、トップ下しかない、もしくはボランチを縦の関係にしてカズをセンターに置くしかないと思います。

さて、カズのプレイですが、まず3分の右サイドのスペースに出したロングパス。石川の前にドンピシャリと通しました。クロスの精度が低いために決定機にはならなかったですが、さすがカズ、というパスでした。
6分、カズが今野の縦パスを受けて、裏に出したループパス。高松がわずかにオフサイドになってましたが、これも素晴らしいパスでした。やはり、今野とカズがちゃんと縦関係になっていると、カズは生きるし今野の守備能力も攻撃につなげられる、と思いますね。
7分、相手のパッサーにプレスにいきますが、軽くかわされ、パスを出させてしまいます。こういう軽さは、広島では考えられない。その後のプレイでも、カズのポジションどりが中途半端で、相手に縦パスを出させてしまいます。このあたり、カズ自身が自分の位置づけについて、整理されていないように見えました。
このあたりから、ディフェンスラインが押し上げられなくなったらしく、中盤が引きぎみになってきて、カズのプレイも厳しくなってきています。
12分、相手の10番がPA内でボールキープしている時に、いいプレスをかけてシュートを打たせなかった。でも、まあそれは普通のプレイですよね。
13分、カズの縦パスが中途半端で相手に奪われてしまうが、でもこれはカズのミスというよりもコミュニケーションの問題。もっと続ければいい。

テレビで見ていた範囲では、カズはかなり高い位置にいたようですね。押し込まれてしまっていたためにボールに触る機会が少なかったのですが、彼自身の意識として攻撃にかなり傾いていたようです。ただ、まだ全体的にカズの意識と周りのイメージがシンクロしていないみたいで、なかなかカズにボールが集まりません。
しかし、それでいい、と思うんですよ。今までと同じ位置でプレイするのなら、間違いなくカズにアテネはありませんから。

17分、素晴らしい攻撃が演出されます。石川の縦パスを山瀬が受け、高松が前に出ることでDFラインが下がり、スペースができます。そこにカズが飛び出し、山瀬の横パスを受ける。浩司がそこを追い越すように飛び出し、カズが2タッチで彼に素晴らしいスルーパスを供給したのです。が、浩司のクロスは石川に合わず、ギリシァ側にこぼれます。そこにカズが素晴らしい身体の寄せでボールを奪い、再び攻撃につないだのです。
このシーンは、とても見事でした。石川のクロスをどうしてフリーの高松が後ろにヘッドで落としたのかは謎ですが。ラモス氏が「兄貴の方は愛情持って出さないと」と言ってましたが、カズのパスはほぼパーフェクトで浩司のクロスは優しくなかったですね。素晴らしいシーンでした。

その後もカズは積極的に「前へ」のパスを出します。確かに通りませんでしたが、決してカズのチャレンジが無駄だったとは思いません。押し込まれる状況が多い中で、カズはよくチャレンジしていたと思います。

21分、浩司の縦パスから左サイドで山瀬が起点をつくり、クロスをいれます。そこに飛び込んできたのがカズでした。惜しくもタイミングは合いませんでしたが、その飛び込みのためにDFが引きつけられ、石川のフリーのシュートを導いたのです。これは、今年彼が取り組んでいるプレイですね。こういうプレイをどんどんやっていけば、やがて周りがそれをわかってくれます。そうすれば、もっと新しいカズが五輪でも見られるはずです。
22分、カズは縦パスを出して高松のポストを受けます。彼自身好きなプレイですが、そこからのパスをブロックされてしまいました。これは、カズにとって反省すべきプレイ、いつものカズなら、あの程度のプレスをいなして、キープできるはずですから。正直、安易でしたね。その後、こぼれ球を追いかけ、ゴールラインを出さずにキープし、高松にビシャリのロングパスを出したのは、さすがでしたが。
25分、相手のドリブルに身体を寄せて止めたカズでしたが、ファウルをとられてしまいます。ただ、このあたりのカズも決して最終ラインに下がらず、トップ下に近い位置にいます。ベースとしては、今野との縦の関係を維持していますね。
26分、カズらしいキープから縦パスを駆使して、ゲームをつくろうとしますが、うまくいきません。しかし、縦に速いばかりのチームにあって、こういうゆったりとした時間帯をつくることは、絶対に必要だと思うんですね。ただ、カズの場合、それをパス交換だけでやろうとするから、途中でミスが出る。もっと、彼自身がドリブルで持ち上がってもいい、と思うんですよ。そうすることによって、周りがフリーになりますからね。

このあたりから、今野が最終ラインに吸収されてしまいがちになります。押し上げがきかなくなり、運動量が落ちてきました。こういう時に、どうチームを建て直すか。そこが、カズに求められている仕事だと思うのですが、今のこのチームでのカズには、そこまで求められないかもしれませんね。余裕がまだ見えません。

34分、カズ→山瀬とパスがわたり、一気に押し上げます。そして、根本からの横パスをカズがダイレクトで裏に出す。山瀬がキープし、クロス。逆サイドに飛び込んだ石川のトラップが大きくてシュートに至らなかったのですが、このあたりのゲームメイクはカズらしくて素晴らしかったですね。根本のパスを受ける前の、フリーになる動きもよかった。やはり、カズにいい形でボールが入ると、チャンスは生まれます。
39分、石川のクロスのこぼれをカズがヘッドで競ります。そのクリアのこぼれを北本が競り、カズが足を出して、根本へ。根本がタックルを受けたこぼれを拾ったカズが、根本の縦の動きをおとりにして、山瀬に出します。その山瀬のミドルシュートは惜しくも枠外。しかし、いい流れでした。
41分、松井がキープした時のカズの動きは問題でした。裏に飛び出していこうとするのですが、そこで足下でもらうのか、裏でもらうのか、はっきりしません。裏でもらうつもりならもっとトップスピードで走るべきだし、足下ならそういう意志表示をすべきでした。石川がサポートにきていただけに、もっとはっきりしたプレイをしてほしい。松井がラモス氏に批判されていましたが、でも松井よりもカズの動きに僕は問題があったように見えました。

カズは43分にも前に飛び出そうとしています。山瀬のスルーパスに飛び込むのか、横バスを出させようとするのか、そういうコミュニケーションの疎通が必要だったと思うんですよ。もっとはっきりしたプレイをしないと、相手DFを引きつけられない。まだ、遠慮があるのでしょうか。守備を今野に任せていっているわけだから、もっともっと思いきった意思表示が必要だった、と思うのです。

結果として、1−1となったわけですが、カズの五輪代表でのプレイとしては、ちょっと上向きな部分が見えた、と言えるでしょう。ノーリスクなプレイからアタックしにいこう、という意志が見えたプレイでした。特に、今野との縦関係のポジションどりは、攻撃のバリエーションを増やすという意味でも、可能性を見せたと言えるでしょう。あとは、周囲にカズのそういう意志を伝えること。練習でも試合でも、自分の意志をもっと明快に伝え続けることです。それができれば、山本監督に「新しいカズ」を認めさせることができるでしょう。次の試合、もし起用されることがあるのなら、その部分をもっと強く、アピールしてほしいですね。

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Thursday, April 15, 2004

サポートをお願いいたします。

実は、僕が長年、大変お世話になっていらっしゃる方が、一昨日、生体肝移植の手術を受けられました。幸い、手術は成功に終わったようですが、まだまだ予断が許さない状況のようです。
この方は、吉村雅敏さんとおっしゃって、実は昨年、中国新聞のサンフレッチェの広告制作に携わった方です。もしかしたら、覚えていらっしゃる方も多いかもしれません。ビッグアーチやスタジアムの入り口で、サポーターの皆さんの写真を撮って、それに応援メッセージをつける。そして、その写真で紙面を構成し、サンフレッチェを応援したあの広告です。吉村さんは、広告のデザインを担当されていました。それだけではなく、積極的にサポーターの皆さんに話しかけ、一人でも多くの方に参加してもらおうと努力されていました。少し小柄で、髪の毛が白くて、目が細くて優しい表情をされた方です。
今年は、サポーターのキャンプ応援ツアーにも、同行されていました。開幕戦で、同じような広告をつくることもあったのですが、昨年の体験ですっかりサンフレッチェを好きになってしまったようで、宮崎でも楽しそうに仕事をされていました。しかし、その宮崎行き直後から体調を崩され、そして肝臓ガンが発覚。今回の生体肝移植以外に、助かる方法はなかった、ということなのです。
昨年の鳥栖戦、吉村さんは見に来られていました。実はこの試合では、もうサンフレッチェの仕事は終了されていたのですが、やはりサンフレッチェのことが気になって仕方がなかったようで、J1復帰が決まった時に、一番に僕に祝福の電話をされたのも、吉村さんでした。とても、優しい方なのです。本当に、優しい方なのです。

生体肝移植には手術の前後を含め、多大なお金がかかります。今、吉村さんを支援するグループでは、サポートをお願いする運動をしています。僕の個人的にお世話になった方とはいえ、サンフレッチェに間接的にかかわっていただいた方のピンチだ、ということで、あえてここで、サポートのお願いをさせていただこうと思いました。

まずは、こちらには、吉村さんの現状の詳しいレポートが書かれています。

そして、サポートについてはこちらで受け付けておられます。

ぜひ、ご協力と共に、吉村さんへの暖かいメッセージもいただければ、本当にありがたいです。
勝手なお願いですが、何とぞよろしくお願いいたします。


紫熊倶楽部編集長   中野和也

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田村も素晴らしかったが。

あのゴールは、広島ビッグアーチの観客を倍にしたかのような、爆発的な歓声を巻き起こしました。キャンプから注目していたルーキーが、公式戦でいきなり結果を出すとは。本当にしびれるシーンでした。今季ルーキー第1号。初出場初得点は、広島ではトゥリオ以来、僕の記憶の限りにおいては、大木・トゥリオにつぐ3人目だったと思います。

田村については、また、HFでしっかりじっくり書きますが。

それにしても、素晴らしかったのは、マルケス。あの運動量とポジショニングの妙。そしてテクニックの素晴らしさと頭のよさが随所に出るプレイ。ウェズレイの迫力もさすがでしたが、名古屋は実質、マルケス中心に動いていました。
一方の広島。何といってもカズでしょう。田村へのアシストも素晴らしかったですが、攻守にわたってダイナミックに動き、ゴールへの意識を全面に押し出して、勝負するプレイが随所に見られたことが何よりもよかった。また、FKの精度や威力もどんどん高くなってきたのもうれしいし。特に、後半の強烈なミドルは、楢崎でなければ止められなかったと思わせるほど、強烈でした。また、前半の途中から意図的にポジションを下げてボールを受ける率を高め、そこから運動量を活かして攻撃にどんどん出て行くように、スタイルを自ら変えたこと。そのあたりにも、彼の成長が伺えます。いや、本当の意味で、チームの中心となりつつありますね、カズは。

いいものを見せてもらったなあ、今日は。

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Saturday, April 10, 2004

今、大分です。

大分駅前のドトール・コーヒーで、パソコンのキーポードをたたいています。こちらは快晴です。4月とはとても思えない陽気で、暑いくらい。今日の試合は、この暑さとの戦いもあるかな、と思います。
昨日、前川和也さんと会いました。相変わらず、笑顔がすてきなところは、全然変わっていませんでした。今は、大分のスクールコーチをされているそうです。前川さんの話は、また HFにでも書きますね。

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Monday, April 05, 2004

眠気と格闘中

今、紫熊の最終追い込みをやっております。非常に眠うございます。
宇多田ヒカル嬢のベストアルバムを聞いて癒されながらやっておるのですが、さすがに「First Love」のような名バラードをこの状況で聞いておりますと、もう激しく眠気が……。ちょっと、お茶を飲んでみます。

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Friday, April 02, 2004

前歯が。

欠けてしまいました。
あー、なんてこった!!!
ただでさえ不細工な顔が、よけいに不細工になってしまったよー。

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市原について。

市原は現在、Jリーグでもトップクラスのクオリティを持つサッカーを展開している。それは単に「走る」ということがすごいのではない。それよりも素晴らしいのは、その戦術面のレベルの高さだ。
昨年まで市原に在籍した吉田が、市原のサッカーのコンセプトを語ってくれた。それをまとめると、こういうことになる。
彼らは、ボールを持った時、常に2つ以上の選択肢を持っている。そのために、誰かがボールを持った瞬間に、複数の選手が動き出し、ボールを引き出す。これはしかし、広島でも行っていることだ。
彼らがすごいのは、そこでボールホルダーがノールックでもパスを出せるほど、動きの精度が研ぎ澄まされていること。たとえば阿部がボールを持った時、佐藤がどう動くか、サンドロがどう動くか、村井や坂本がどう動き出すのか。周囲の選手の動きが、阿部の頭にはビジュアルとしてインプットされているのだ。もちろん、そういう動きを支えているのが「走る」というベーシックな運動。しかし、彼らはやみくもに走っているわけではない。自分の中にしっかりとしたイメージをつくりあげ、それが11人の統一した絵となって構築されている。だから、連動して選手が動けるし、全員が流れるようなサッカーができる。
市原の攻撃は、アウトサイドへの展開が基本。特に、左サイドの村井の攻撃は要注意だ。しかし、彼を抑えたからといって、市原の攻撃が機能不全に陥るわけではない。彼らは、村井が抑え込まれた時にどういう動きをして打開するか、というテーマについても、複数の答えを用意している、という。しかも、それもまた、11人で統一した絵を描ける、ということなのだ。

すごい。オシム、という監督はすごい、と正直思った。

こういうことは、指導者ならば誰もが思い描くことだろう。が、それを1年間で選手に浸透させ、高いレベルでやらせてしまっている、ということがすごいのだ。子供相手ならばともかく、相手は大人のプロ選手。それなりに一家言持っている個性の集まりに、自分の思い描いたプレイをやらせてしまっている。そのためには、彼自身に相当のパーソナリティがないと、無理だろう。

市原の練習は厳しいようで、その厳しさについて阿部勇樹が森崎兄弟に対してよく語っているようだ。休日もほとんどなく、走るメニューの多いこと。話を聞くだけで、「それは無理」というメニューらしいのだが、現実にオシムは市原の選手たちにやらせてしまっている。「やらせることができる」ということが、オシムのすごさなのである。戦術構築能力とか、采配とか、そういうものが、オシムの本当のすごさではない。

その相手に対して、チアゴ・サンパイオを欠く広島は挑戦する。
いや、本当に楽しみで仕方がない。
こういう相手と、今の広島がどういう戦いをしてくれるか。
今季の広島は、結果はともかく、その内容はいい意味で予想を裏切ってきてくれている。
今回も、それを期待したい。

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茂木と大久保。

サポーターがもっとも期待し、もっとも頭角を熱望する選手たちといっていい2人。
共にアジアユース準優勝メンバーであり、U-23日本代表への道が洋々と開いていると思われた彼らが、広島でずっと苦しんでいた。そこには、さまざまな原因があると思うが、それはもう言うまい。
韓国遠征を終え、帰ってきた二人を見て、話をして、少し変わったな、と感じた。うまく表現できないが、大人になりつつあるな、と思った。
HFで彼らのインタビューを配信しているので、読者の方は読んでみてほしい。茂木については、明日にでも携帯公式サイトにアップされるはず。
急に見違えるようなプレイができるようになるわけではない。しかし、彼らは一歩一歩、前に進んでいる。それは、小野監督も認めている、間違いのない事実だ。

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Sunday, March 28, 2004

広島0-0横浜

この試合、チアゴには悔しさしか、残っていないだろう。試合終了後、きびすを返すように試合会場を去り、メディアにはいっさいコメントすることはなかった。シュート9本、決定機7度。しかし、そんな数字は「得点0」という厳然たる事実の前に、ストライカーには何の慰めにもならない。
相手はチアゴの前に、システムを試合途中で変えざるをえなかった。岡田監督は、ある意味、自分たちのやり方を修正してまで、チアゴを抑えにかかった。それでも、チアゴを抑え切れなかった。「格が違う」。岡田監督は、チアゴを評して、そう語っている。マンマークに選手を配しても抑え切れなかった、という現実が、その言葉を引き出した。
が、繰り返すが、そういう評価など、生粋のストライカーであるチアゴにとっては、何の意味を持たないことだろう。後半ロスタイム、チアゴは素晴らしい動き出しから得た決定的なシュートを、ポストにぶち当てた。その瞬間、ピッチに顔を突っ伏し、チアゴは立ち上がれなかった。腹立たしさ、怒り、悔しさ。そういう感情が、うずまいていた。
ただ、チアゴ自身のコンディションが、まだ100%ではないことも事実。この悔しさをばねに、彼の普段からのトレーニングに、今以上の気迫がこもってくれば、もっとフィジカルの状態はあがってくるだろう。そうなった時、この天衣無縫のストライカーがどんなプレイをしてくれるのか。楽しみで仕方がない。

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Thursday, March 25, 2004

がんばれ、愛媛FC

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/kikaku/012/2.htm

この讀売新聞の記事を読んでみてください。
愛媛FCの苦しい戦いが、コンパクトにまとめてあります。

言葉は、たくさん用意できませんが。

とにかく、これだけは言いたい。

がんばれ、愛媛FC!!

また、以下のURLには、元サンフレッチェ広島の吉田幸生選手の記事が、掲載されています。
彼の成長した姿が、この記事からうかがえます。
広島にいた時から、素晴らしい人間性を持っていた選手でした。

がんばれ、吉田!!!

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/kikaku/012/1.htm

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Tuesday, March 23, 2004

頑張れ、若者たち。

サンフレッチェのサテライトが、ガンバサテライトに1-0で勝利した、というニュースを聞いて、僕は正直、驚いた。キャンプでは、確かに内容のある試合だったとはいえ、結果として0-4で粉砕されてしまっていた。しかも、メンバーを見てみると、キャンプの時と同様、 G大阪には中山や松波、木場や森岡といった経験のある選手がいたのである。一方のサンフレッチェはと言えば、2トップの茂木と中山にはトップ出場経験があるものの、G大阪の2トップと比較すれば、実績は比較にならない。まして、佐藤・槙野・前田とユース選手や特別指定選手の西河も起用されている。Jで実績を積んだ選手は、佐藤一樹くらいしかいない。そういう選手たちが、ガンバの能力のある選手たちをチームとして凌駕したのである。しかも、(つっちょさんをはじめ)実際にこの試合を見た複数の方からの情報では、ゲームを支配していたのは、むしろ広島の若者たちだ、ということらしい。決定機もたくさんつくってくれた、ということ。ますます、うれしくなった。
正直、紅白戦を見ていた限りにおいて、こういう結果を出してくれるとは、想像もできなかった。ただ、大久保や茂木(トップの試合では残念ながら結果を出せなかったが)らに、上向きな兆候が見え始めてはいたし、松浦はキャンプからずっと調子は悪くないどころか、評価は高かった。この日、唯一ゴールを決めた田村の潜在能力は底知れない。何よりも、みんな確実にポテンシャルを持っている選手なのである。それが、キャンプからここまで、ヴェテランを追い越せないでいた。そこが、僕自身、歯がゆかった。
昨年の秋、サテライトチームが市原・清水に遠征し、そこで自信をつけたことで、松浦がトップチームに入り、あの感動的な山形戦のゴールを生んだ。それより何より、自信をつけた若手たちの押し上げが、チーム全体に危機感を増幅させ、昇格へ最後のスパートを生んだのだ。
若者たちは、ちょっとしたことで、自信をつける。自信は、若者たちの精神構造を変え、仕事に取り組む姿勢を変える。今、トップチームのメンバーが固まってしまった感があるが、自信を持った若者たちがそこに風穴をあければ、今の広島が感じさせている可能性を、さらなる高みに持っていく可能性もあるのだ。
願わくば、その大きなきっかけに、このガンバ戦がなってくれることを。

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Monday, March 22, 2004

いかりや長介さんを偲んで

いろんな方がおっしゃる「ドリフ世代」に、どっぷりと足をつっこんでいる年齢だし、確かに「全員集合」はある時期まで見ていました。「全員集合」が見られない長崎に引っ越してからは、「ドリフ大爆笑」を見ていました。

でも、正直に言えば、ある年齢を超えてしまった後、僕はドリフでは笑えなくなりました。いや、年齢ではなく、荒井注→志村けんのメンバー交代があり、エースが加藤茶→志村けん、と代わった後だったかな。僕にとって、ドリフ=加藤茶、であり、志村けんは受け入れがたかったのかもしれません。

そんな僕にとって、いかりや長介、という存在は、ある時期まではそれほど大きくありませんでした。彼は、ドリフの中では唯一の「つっこみ」であったわけで、ドリフの計算され尽くした笑いの狂言回しの役割を果たしていたわけですが、正直、僕にとっては、その狂言回し役のいかりや長介の存在が、鼻についていました。

だからかもしれませんが、僕は「アンチドリフ」になってしまって、ある時期から全く彼らの番組を見なくなりました。「ヒゲダンス」も「早口言葉」も知りません。僕にとって、もっとも面白かったのは、やはり「コント55号」における天衣無縫な萩本欽一のつっこみだった(あの頃の萩本欽一は、決して善人の優しい欽ちゃんではなかった)し、アナーキーな笑いの最先端としての「オレたちひょうきん族」でした。
だから、いつのまにか「全員集合」が終了していても、僕にとってまるで寂しさはなかったし、志村けんが「バカ殿」をやり「アイーン」がはやっても、「あ、そう」みたいなもので、むしろ「ボキャ天」の方が、楽しかった。

でも、そういう僕にいかりや長介が強いインパクトを与えたのは、やはり「踊る大捜査線」。彼の老刑事役は、確かに「ああ、あるな」というキャスティングでした。が、このドラマを見るうちに強烈な「踊るフリーク」となってしまった僕は、いかりや長介を亀山プロデューサーがキャスティングした慧眼に、ひたすら敬服する他はなくなりました。
演技力とか、そういうものを超えた、すさまじい存在感。ユースケ・サンタマリアが撃たれた後、涙ながらに「ここに居てください」と訴える水野美紀に対し、「犯人を逮捕するのが、オレたちの仕事だ」と、淡々と語り、静かに背中を向けて歩き出すシーンは、ふるえが止まりませんでした。「背中で演技をした」と「用心棒」という映画で三船敏郎は絶賛されたことがありますが、僕自身、このいかりや長介の「背中」には「演技」などという人間の業を超越したもの、彼自身が背負っている人生の深みが、自然と現れていたように思えたのです。

「日本のモーガン・フリーマン」と、亀山プロデューサーはいかりや長介をたたえたようですが、僕にとっては、そういう既存の役者と比較できない存在でした。

いかりや長介は、いつも、どんな時でも、いかりや長介。それが許される、希有な存在になりえたのです。
そして、それは「踊る大捜査線」の前史と言えるコメディアン時代に、彼が毎週味わってきた苦しみや、人間関係における裏切りや別れ、そういうものすべてを淡々と受け止めて、それでも何とか前を向いてきたしなやかな強さが、あったからこそ、彼は彼となりえたのでしょう。

踊る大捜査線3、は、これでなくなってしまうでしょう。
踊るフリークとしては残念ですが、和久平八郎のいない「踊る」など、「踊る」ではないですから。

いかりや長介さんのご冥福を、心よりお祈りして。

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Saturday, March 20, 2004

「谷間の世代」払拭は、まだ早い。=U-23日本代表に寄せて

最終予選で勝てたことは、本当によかった。予選のしびれる戦いも、堪能させてもらった。
もっともっと、このチームはよくなる、と思う。そのためにもこの「結果」に酔うだけではなく、「経過」をしっかりと見つめてほしい。それが、JFAに対する切なる願いだ。

このチームのベースは、2002年春に行われたツーロン国際大会である。この時見せた魅惑的なサッカーがあったから、この世代に対する期待はふくらんだ。
いや、個人的に言えば、アジアユース・グループリーグで、ロスタイムのラストプレイで同点に追いついたり、準決勝で中国を相手に完勝したり、という試合を見た時から、この世代がもつ「未完成」の魅力にとりつかれてしまった。さらにワールドユースでは、1・2戦で金縛りにあったような情けない試合を見せてしまった後、第3戦のチェコ戦で素晴らしく美しいサッカーを見せてくれた時、「ああ、彼らは谷間なんかじゃない」と確信した。相手のモチベーションとか、そういうことを問題にする人も多いが、彼らの中に本当の実力がなければ、相手どうこう関係なしに、美しいサッカーなど演出できない。

この世代は決して、谷間などではない。
いったい誰がそう言い出したのかわからないが、おそらくきっかけはU-17世界選手権に出場できなかったことなのだろう。レギュレーションの問題等、さまざまな要素はあったものの、アジアで負けたことは確か。いいわけはできない。
しかし、それだけを以て、選手たちをひと括りにして「谷間」などと称するやり方は、どうしても納得できなかった。
それでも彼らは、これまで2度、「谷間」という不名誉な冠を払拭しかかったことがあった。最初はアジアユースでの準優勝、そして次はアジア大会での準優勝だった。が、ワールドユースで決勝トーナメント進出が果たせなかったり、その後の親善試合等の内容もあって、このチームにはずっと「谷間」という言葉がつきまとってしまった。
これもまた、自分たちがまいた種でも、ある。受け止めないといけない部分はある。しかし、Jリーグでの彼らの活躍を見れば、その実力そのものが「谷間」などではないことは、明白だ。

よくこの世代の選手たちに対し、リーダーシップの欠如を問題にする向きがある。しかし、あのワールドユース準優勝チームであっても、その問題はつきまとっていた。アジアユースでの中国戦、そして2度にわたる韓国戦での戦いでは、苦しい状況に陥った時にズルズルといってしまうもろさを露呈してしまったし、ワールドユースの初戦・カメルーン戦でもそうだった。シドニー五輪最終予選ではそういうもろさは見えなかったが、それは相手がカザフスタンやタイといった比較的与しやすい相手だった、という以上に、中田英寿とトルシエといった強烈なリーダーの存在が大きいだろう。だが、考えてみれば、中田英のような存在は、日本にとって特別なのだ。中田不在の時は、やはり「リーダー不在」は感じてしまったものだ。
リーダーというのは、やはり実績である。アトランタ五輪の時には、前園。シドニーの時には、中田。どちらも、その時点での実績が誰よりも突出していた。実績というバックボーンが、自然と彼らをリーダーに押し上げ、そして彼らもまた、リーダーとしての自覚を持つようになった。もっと年輪を重ねた後ならともかく、この年代でのリーダー観とは、こういう単純なものだと思う。
だが、この世代には、突出した実績を持っている選手がいない。Jリーグ日本人得点王となった大久保、ナビスコカップMVPの田中。高校生の頃から市原のレギュラーだった阿部、ツーロン国際大会で「ベスト・エレガント・プレーヤー」と呼ばれた松井。素晴らしい選手は多いが、実績で周囲を圧倒し、君臨する選手がいない。トルシエやトムソンならば「選手全員がリーダーシップをもて」というところだが、そういうことが現代日本の若者がもっとも苦手とするところ。「指示待ち世代」などというレッテルも張られているが、それは何も彼らだけではなく、日本の若者たちの一般的な姿なのである。

山本監督は、自らが素晴らしい戦略と戦術を持っていることを、このプロジェクトで証明できなかった。
2年間の時間がありながら、チームコンセプトは常に揺らぎ、サッカーの内容も一貫していなかった。テストを繰り返し、選手の能力把握に思いの他、時間がかかった。トルシエのように確固たる形を持っていたわけではなく、岡田武史のように揺るぎのない信念も感じられなかった。平山と闘莉王という最終予選が延期されたが故に得た武器を、それまでのプロセスを無視した形でチームをやりかえてしまったことも、彼の心の内にある揺らぎが見てとれる。
しかし、山本監督だったからこそ、できたことも否定はしない。それは、彼が徹底してきた「競争原理」の導入である。山本監督は、本番の数週間前まで、チームの軸を明確にせず、競争させていた。アジア大会時のレギュラーで、最終予選の時もその座を守った者は、鈴木啓太だけ。その鈴木ですら、レギュラーは常に脅かされていた。フル代表組の大久保は落選し、石川・茂庭はベンチに座っていた(茂庭は最後にはポジションを確保したが)。エース格と思われていた阿部勇樹も、レギュラーではなかった。つまり、彼は誰一人、特別な扱いはしなかった。すべての選手を競争にさらし、そして競わせたのだ。
たとえば、オフトやジーコの代表チームは、レギュラーを完全に固定化させてチームづくりが行われる。一方でトルシエは、自らのチームを「クラブチーム」に仕立て、そこで激しく競わせた。ヴェテランを批判し、必要以上に若手をもり立て、日本人の中にあるヒエラルキーをぶちこわした。
山本監督は、トルシエほど過激ではなかったものの、U-23代表チームの中にあったヒエラルキーをぶちこわし、新しいものをつくりあげようと競争をあおった。この結果として、チームづくりが遅くなってしまったのだが、それを承知で彼は競争をやめさせなかった。さらに、U-20組を持ち上げ、彼らを賛美することで、チーム内に刺激を与え続けたことも、トルシエのやった手法(「五輪代表の方がフル代表より強い」など)を思いおこさせる(結局、レギュラーを奪ったU-20組は、今野と徳永と平山だけ。半分近くを入れ替えるかも、と山本監督は言っていたが、現実はこうだ。しかも今野の場合、ケガがなければアルゼンチン・ワールドユースに飛び級で招集された可能性があり、平山は本来はU-18組)。この競争の激化がおとなしい選手が多いこの世代を活性化させ、チームに活気をもたらしたことは間違いない。
この部分は「監督の哲学」次第。オフトやジーコ式のように、できるだけ同じメンバーでコンビネーションを高める、というやり方もある。いずれも、「勝利」を求める道の一つであって、アプローチが違うだけだ。しかし、そのアプローチのやり方で、意図したとおりの結果が得られるかどうか、が決まる。今回の山本監督のアプローチは、とりあえずの結果が出た。そこは、評価しないといけない。このやり方でなければ、平山・闘莉王・今野・田中・高松・徳永・那須・森崎浩、は出てこなかった。アジア大会やツーロンのチームを熟成させても、結果は出ただろう。が、U-23チームが抱える「育成」というテーマを考えれば、山本監督の手法は納得がいく。ただ、そのプロセスには、大きな問題を抱えていた、とは思うが。それはもちろん、前述した「確固たるコンセプトの不在」である。
 
正直にいえば、選手個々の能力や五輪サッカーに挑むための体制などを考えたときに、日本が最終予選を勝ち抜くのは、当然の結果と言えた。セントラル方式での一発勝負であればわからないが、ダブルセントラル方式の2試合総当たりのリーグ戦となった段階で、日本の勝ち抜けの可能性は大きくなった。リーグ戦であれば、チームの総合的な実力がほぼその通りに反映されるからだ。
どうしてここまで苦戦したのか。それは、ガルフカップ2位という実績を残していたバーレーンの実力を過小評価した、ということもあるだろう。しかし、これほどの苦戦を強いられた原因を、そこだけに求めるのは無理がある。
やはり、今回の山本監督のチームづくりに問題があったのではないか、という検証を行わないと、その先につながらない。U-23がアテネでメダルを奪うためにも、次の北京のためにも、ドイツW杯にこの経験をいかすためにも。山本監督自身の成長のためにも。
日本サッカー界のこれまでを考えると、ビジネスの鉄則である「PLAN・DO・SEE」のうち、「PLAN」と「DO」はできているが、「SEE」の徹底ができていないように見える。確かに、ワールドカップ等の大会後には、レポートが提出されているが、それはあくまでサッカー界内部の報告に終わっているに過ぎないのが現状のようだ。その中身がマスメディアによってサポーターに広く知らしめられ、議論を巻き起こす形が理想だ。ただそのためには、マスメディア側が新しい「NEWS」ばかりを追うのではなく、感情に惑わされることなく、「是々非々」の立場で総括を行うことが重要だ。

「谷間」などという不当なレッテルを貼られているこの世代だが、まだこの汚名をはらしたわけではない。アジアでの結果は、アジアユースでもアジア大会でも残してきた。そのたびに「もう谷間ではない」と言われてきたのに、すぐに呼称は戻ってきた。Jリーグでどれだけ実績を残しても、集まればそうなる。今回も、五輪で結果を残さなければ、またそう言われるだろう。いや、もし五輪でそれなりの形を残しても、オーバーエイジを使ったチームならば、「彼らだけでは無理」などと言われかねない。
汚名払拭のためには、五輪で結果を残すだけでなく、フル代表で「黄金世代」たちを追い落として、そして2002年以上の結果を残すこと。それしか、ない。気の長い作業ではあるが、しかし目的意識を高くもってやり抜いてほしい、と心から願う。

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Thursday, March 18, 2004

吉田は。

いやあ、まだ冬みたいな寒さです。雪こそ降りませんが、風は突き刺すよう。あ、吉田って簡単に言うとだめですね。もう「安芸高田市」です。
それにしても、今日の練習は、なかなか面白かったですね。詳しいことは書けませんが、これまでにないことを、今日は取り組んでいたようです。それが試合にどう出てくるか、も楽しみですね。
それと、今まで低迷していた選手たちが、少しずつではあるけれど、盛り返してきている雰囲気が出てきているのも、なんか、うれしいこと。キャンプ中はネガティブな話題に包まれていたサンフレッチェですが、ずっと右肩上がりになってきていることは、間違いないようです。

この雰囲気を大切にするためにも、G大阪と行われるトップ、そしてサテライトのリーグ戦に、ぜひ勝利してほしい。いや、本当に。

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U-23の勇士たち。

正直、これまで山本昌邦監督のチームづくりについては、決して好感を持っていたわけではない。森崎和幸や駒野友一らに対する冷遇なども、もちろん気に入らなかったが、何よりもJリーグ軽視の発言と揺れ動き続け見えなくなったチームコンセプトがいやだった。また、選手選考についても考えているようで考えが足りない、と思っていた。例えば、レバノン戦での前田の役割は、彼ではなく森崎和幸がぴったりとくる役回り。もしああいうサッカーが念頭にあったとしたら、どうして森崎和(あるいは彼のようなタイプ)を入れていなかったのか。成岡がそうだ、というかもしれないが、彼にはまだ本当の意味での厳しい経験が足りない。ワールドユース、というかもしれないが真剣勝負における中東との戦いとは、厳しさの種類が違う。
ただ、もはやここにきて、そういうことばかり言っていられない。とにかく、どんな形でもいいから、UAEを撃破してほしい。まず、そこからスタートで、あとは天佑を待つしかない。勝ってほしい、と心から思う。総括は、しっかりと行うべきだろうが、それは結果が出た後の話だ。
美しいサッカーなど、今日は必要ない。ただひたすら、勝つことだけを考えてほしい。勝つためにどうすればいいか。得失点差を考えてしゃにむに前に出て、カウンターで失点してしまっては、彼等の思うつぼだ。UAEは、確かに大量得点での勝利を必要とするが、おそらく前には出てこない。日本にこさせて、カウンターを狙うはずだ。その思惑に乗ってはならない。
しかし、一方でやはり得点が欲しい。相手のカウンターを恐れるだけではなく、自分たちの誇りをかけて、勝負しにいく度量も必要となる。そのあたりのさじかげんは、山本監督よりもむしろ、今日キャプテンとして復帰するはずの鈴木啓太と最終ラインの統率者である阿部勇樹にかかっているだろう。
スタメン予想では、様々な形が噂されている。しかし、得点をとって勝つ、ということが求められ、かつ引いた相手を崩すことが求められている以上、個人勝負ができる大久保と田中、そしてポストワークに長けた平山を起用するのが、もっとも望ましい。そして、ボランチにはぜひ、森崎浩司の起用を求めたい。両サイドは、パスワークよりもむしろ、個の突破が期待できる選手の方がいい。前田も確かに悪くないし、技術はさすがだが、攻守にバランスをとり、ボールをしっかりとキープして正確なパスを使いながら中盤を構成できる技術を持つのは、今は浩司(本来はそれがスペシャリティではないが)しかいない。さらに浩司ならば、正確かつ強烈な左足のシュートがある。今は、アウトサイドでバランスを求められているため、彼が本来持っている攻撃力は封印されているが、浩司の特性はなんといってもシュートだ。特に今日の試合は、ミドルシュートが大きな効果をもつはずだ。先発は、今野を外せないかもしれないが、勝負と見たら根本を左にいれ、浩司を中で起用するオプションをぜひ、使ってほしい。浩司なら、急に言われても対応できるはずだし、昨年のJ2での戦いの中で「勝たねばいけない試合」「引いた相手の崩し方」は身にしみているはずである。
アジアユースでは、ロスタイムで同点に追いつき、ワールドユースにつなげたこともあった。決勝では、自分たちのミスからの失点を取り返し、延長に持ち込んでいる。アジア大会では、相手の猛攻に耐え、1チャンスを活かして勝利したこともあった。勝負弱いイメージのある彼らだが、本当はたくさんの修羅場をくぐり抜けている。Jリーグでの相手を斬り合う勝負も、経験ずみだ。
僕は、このチームの選手たちには、特に思い入れが深い。だから、とにかく勝利してほしい。不当な評価を跳ね返し、まったく現実から遊離した不名誉なレッテルをはがすためにも、ここは自分たちの力で、勝利をもぎとるしかないのだ。

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高橋尚子がアテネにいけなかったのは、論理として間違っている。

 「マラソン」という競技種目は、陸上競技の中でも競歩と並んで特異な性質を持っている。
それは、何か。この競技はコースの長さが決まっているだけで、あとはそのコースによるバラバラの条件そのままに、行われることである。
 他の種目は、一つの基準に基づいた競技場の中で行われる。たとえば、トラックのアンツーカーの微妙な質などで「記録が出やすい」「出にくい」という部分はあるが、トラックによって大きな傾斜がついていたりはしない。また、トラックは基本的にはアンツーカーでつくられており、少なくとも国際競技会が行われるトラックでは、土や砂利のものはない。
 しかし、マラソンは違う。コースによって平坦なところもあれば、延々と長い坂が続く場所もある。さらに、コースによってはアスファルトではなく、石畳を走らざるをえない時もある。さらに言えば、突出して強烈なスタミナを浪費する種目だけに、気温の高低は選手に大きな影響を与える。サッカーだって、夏のサッカーと冬とでは、パフォーマンスに大きな影響を与えるのは、ここに来られる方にとってはよく理解されていることだろう。
 そういう競技だからこそ、昔からマラソンについては「世界記録」ではなく「世界最高記録」という呼ばれ方をしていた。単純にデジタルな数字だけではマラソンの場合において比較できない。それは、この競技の特性として、当然のことである。坂道が延々と続く道と、ずっと平坦な道では、記録に差が出て当然ではないか。
 今回の選考レースの場合、東京のコースとその他の2コースには、大きな差がある。つまり、30キロ過ぎから延々と続く急坂だ。この坂の前に、男女問わずどれだけ多くの選手が苦しめられたか、わからない。この坂があるだけで、タイムはまず、伸びないと見ていい。たとえば、「名古屋がタイムが出にくい」と言われるが、それは「強風」に影響されるもの。気象条件は変わるから「絶対」ではない。しかし、東京の場合は、「前提」としてタイムが出にくい、のである。
 そういう前提があるレースのタイムをそのまま並べることが、果たして「公平」なのだろうか。確かに、高橋は東京国際マラソンで失敗した。しかし、それでも日本人トップを記録しており、タイムも2時間27分21秒。これは、2時間25分29秒の坂本直子と比較して、劣っているのか。一般に東京と大阪では2分はタイムが違ってくる、と言われている。その証拠に、マラソン記録を見てみると、ベルリンで高橋が出した日本最高記録をのぞけば、2〜5位まですべて大阪国際でのタイム。東京国際の最高は、山口衛里の2時間22分12秒で、大阪国際の野口みづきの記録(2時間21分18秒)とは約1分違っている。実は、高橋のタイムは東京国際における日本人2位の記録だった。
 一方、坂本のタイムは、自らが同じ大阪で出したタイム=2時間21分51秒よりも4分近く遅い。優勝したとはいえ、タイム的に言えばやはり坂本も「失敗レース」だったのだ。また、名古屋の土佐礼子にしても、2時間23分57秒というタイムは、高橋が同じ名古屋でたたき出した2時間22分19秒には遠く及ばないし、彼女のベスト(2時間22分46秒)からも1分以上遅れている。
 論理的に考えれば、明らかに環境や前提が違うコースで走る3つのレースで2人を選ぶ、という方法論が、明白に間違っているのである。タイムが単純に比較できない以上、他に比べようがないからだ。この方法論に筋を通すための方便として考えられたのが、「五輪でメダルや入賞が期待できる選手」という文言である。このあいまいな言い方を「選考基準」とすることで、実力の総合判断ができる余地を残していた。
 今回の「高橋騒動」の最大のポイントが、ここにある。事前に発表されていた「選考基準」は、世界選手権に関する記述以外は極めてあいまい。そのあいまいさがあるが故に、高橋側はこれまでの実績と明白な能力の高さを考慮してもらえる、という判断をした。実際、名古屋では、高橋のもつ大会記録を上回らない限り、優勝しても代表は無理、と言われていた。
 ところが、その大会記録よりも土佐は1分以上、遅れてゴールしたにもかかわらず、高橋だけでなく坂本をも逆転してしまった。坂本は、確かに記録こそ遅かったが、たとえば千葉真子や渋井陽子のような有力選手が一同に会した中での勝利の重みは、大きかったはず。彼女らとの駆け引きがあったからこそ、タイムは大阪にすればかなり遅くなってしまったのだ。確かに土佐の粘りは素晴らしかったが、大阪と比較して他に有力選手が少ない中での優勝。果たして、どちらが重いか。
 「実績主義から選考会の成績主義に変わった」。
 選考委員の一人、増田明美はそう語っている。では、それはいつから、変わったのか。3レースが行われる前に、そう明言していたのか。「選考会でのタイム順で選ぶ」と。そういう情報は、いっさい流れていない。もしそうであれば、誰も東京国際など走らない。
高橋が東京を選んだのは、アテネまでもっと時間があり、調整がしやすいからだ。ケガをしやすい高橋にとって、この長い期間は保険にもなる。
そして高橋が東京を選んだから、彼女と共に走るのを避けるべく、他の有力選手たちは東京を避けた。
これが、現実である。
 「選考会のタイム順で選ぶ」というのが、もし事前に発表されていたならば、レースを選ぶ権利が選手に留保されている以上、文句は言えない。その選び方に論理性はない、とは思うが、少なくとも明快だし、公平だ。だが、今回は土佐礼子の激走の後、空気がそう変わってしまったのだ。そんなばかな話はない。
 「みんな、高橋を選びたかった。でも、それができなかった」と増田は語るが、そんなことはうそだ。いくらでも方便はつけられる。そうではなくて、タイムが高橋を上回っている坂本と土佐を外してしまった時に、良識派マスコミからつきつけられる批判が怖かったとしか、思えない。以前、松野明美よりも有森裕子を選んだ陸連には、そういう批判を受け止める度量も骨もあった。それは、もうなくなってしまったのか。
 ちまたで言われている「一発勝負」案は、スポンサーの絡みもあり、実現性に乏しい。有森裕子が提唱している「ポイント」によるランキング制がいいのではないか、と思うが、これも実現にはさまざまな障害があるだろう。
 だが、もういつまでもこんなことを続けていてはだめだ、ということだけは、間違いない。ただ、今回の選考結果をなんの考証もなく、「陸連は筋を通した」と言っているようでは、また4年後、同じ騒動が持ち上がるだろう。
 ちなみに、僕は今でも、五輪でもっとも金メダルをとれる可能性のある日本人は、高橋尚子だと思っている。それは、彼女の持っている強さと能力の高さ、そしてメンタリティの強さが、他の日本人とはまるで違うからだ。高橋がいれば、世間の期待は彼女に集中する。そうすれば、たとえば野口や坂本といった若い選手たちも伸び伸びと走ることができる。そういう効果もあったはずなのだが。
 高橋の記者会見は、素晴らしいものだった。彼女の人生観と芯の強さが、如実に出たものだった。そこだけが、救いではある。が、救いではあるが、それをもって、今回の決定の不明瞭さは許されない。
 

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